ふるさと住民登録制度、自治体は何を準備する?担い手活動のつくり方
株式会社FLASPO・2026/10/09 更新
ふるさと住民登録制度は、住んでいる地域の外から継続的に関わる人を登録する、国の新しい仕組みです。2026年度内の開始に向けて、総務省が自治体向けのガイドラインと制度設計の案を公表しています。このページでは、自治体の担当者が準備するときに押さえておきたいことを、公表資料をもとに実務の順にまとめます。
制度の細かな点は、モデル事業やシステム開発を通じて今後も見直されます。最新の情報はふるさと住民登録制度ナビで確認してください。
1. 制度のしくみ:ベーシック登録とプレミアム登録
登録は2段階です。関心を持つ人が広く登録するベーシック登録と、担い手として活動する人のプレミアム登録に分かれます(基本的な制度設計(案)より)。
| ベーシック登録(仮称) | プレミアム登録(仮称) | |
|---|---|---|
| 要件 | 要件なし(自動的に登録できる) | 自治体が指定する担い手活動を年3回以上 |
| 登録できる自治体の数 | 制限なし | 3団体まで |
| マイナンバーカードでの本人確認 | 任意 | 必須 |
| 更新 | 不要(一定期間アクセスが無いと解除) | 年1回程度、要件を確認して更新 |
| 自治体ができること | 地域の情報を届ける、アンケートをとる | 活動を支えるサポート施策(交通・宿泊費の補助、ワーキングスペース利用料の補助など) |
市区町村に登録すると、その都道府県にも同時に登録される仕組みが基本です。また、住所地の自治体へのベーシック登録はできますが、統計上は関係人口に含めないとされています。
2. いつ始まる?スケジュール
| 時期 | 予定(ガイドラインの概要より) |
|---|---|
| 2026年4月〜 | 担い手活動の実績の把握が始まる(アプリのリリースまでの実績も、リリース時に入力できる) |
| 2026年秋 | 自治体からのシステム利用申請の受付が始まる |
| 2026年度内 | 制度開始(自治体の準備期間を数週間ほど設ける) |
先行して、7道県と21市町村がモデル事業に取り組んでいます。2027年度までに参加した自治体は、システム利用料の負担を一定期間求めないとされています。
3. 自治体がやること
ガイドラインでは、自治体の取り組みを次の順に整理しています。
参画とIDの発行
総務省に利用を申請してIDの発行を受け、LGWAN回線を通じて管理画面にログインします。
ベーシック登録の段階
- 自治体の紹介ページをつくる
- 登録時のアンケートに、独自の項目を足す
- 地域の情報を発信する(登録者のニーズに合わせて)
- 担い手活動を募集する:地域の団体と連携して課題とニーズを掘り起こし、活動を企画して募集。当日はQRコードを読み取ってもらい、実績を記録する
プレミアム登録の段階
- 登録の要件を決める(年3回の担い手活動は必須。二地域居住の「長期滞在者」の要件は任意で設定)
- 登録・更新の申請に対応する(活動の実績はシステムの記録で自動判定)
- サポート施策を検討し、制度化(予算化)する
4. 担い手活動のつくり方
ガイドラインでは、担い手活動を「人口減少などを背景とした担い手不足への対応であること」「活動の内容や時間からみて、公共性や地域への貢献が十分に認められること」と考え方を示し、農業や清掃のボランティア、イベントの企画・運営、地域の魅力の発信、専門的な観点からの助言などを例に挙げています。
プレミアム登録の要件は「年3回以上」です。地域の外に住む人、とくに大学生など若者に続けて関わってもらうには、次の点を押さえておくと組み立てやすくなります。
| ポイント | 具体的には |
|---|---|
| 年間の予定を先に見せる | 3回分の活動の時期を年度初めに示す。大学生は夏休み・春休みが動きやすく、試験期間(7月下旬〜8月上旬、1月下旬〜2月上旬)は避ける |
| 入口を軽くする | 最初の接点は、地域のお題に意見やアイデアを出すなど、オンラインで参加できるものにして、現地での活動につなげる |
| 移動の負担を下げる | 国の調査では、関わりを深めるための改善点の上位に「移動や滞在に伴う金銭的な負担の軽減」が挙がっている。サポート施策の交通・宿泊費の補助と組み合わせる |
| 役割をはっきりさせる | 「何を手伝ってほしいか」「その成果がどう使われるか」を募集の段階で伝える。若者は自分の役割が見える活動ほど続けやすい |
若者を対象にした関係人口の事業の組み立て方(成果の数え方・年間の流れ・仕様書の項目)は、自治体の若者向け関係人口事業の組み立て方にまとめています。
5. 準備のチェックリスト
| 確認すること | 目安の時期 |
|---|---|
| 制度に参加するかを庁内で決める(担当課・関係課) | 利用申請の受付まで |
| 地域の団体と、担い手が必要な活動を洗い出す | 利用申請の受付まで |
| 担い手活動の年間の予定と、受け入れの体制を決める | 制度開始まで |
| プレミアム登録の要件と、サポート施策の予算を検討する | 次年度の予算要求の時期 |
| 個人情報の取り扱いと、登録者への情報発信の担当を決める | 制度開始まで |
6. 気をつけたいこと
- 登録の特典として、現地に行かなくても物的な恩恵が及ぶ、いわゆる「返礼品」は設けられない
- 未成年の人がマイナンバーカードで本人確認をするときは、保護者の同意もあわせて確認する
- 制度の内容は「案」をもとに検討が続いている。予算や要件を決める前に、最新のガイドラインを確認する
よくある質問
- Q. ふるさと住民登録制度はいつから始まりますか?
- 総務省は2026年度内の制度開始を予定しています。2026年4月から担い手活動の実績の把握が始まり、2026年秋に自治体からのシステム利用申請の受付が始まる予定です。登録に使うアプリは年度末のリリース予定とされています。
- Q. ベーシック登録とプレミアム登録の違いは?
- ベーシック登録は要件がなく、誰でも何自治体でも登録できます。プレミアム登録は、自治体が指定する担い手活動を年3回以上行うことが要件で、登録できるのは3団体までです。プレミアム登録の人には、自治体が交通・宿泊費の補助などのサポート施策を用意できます。
- Q. 自治体の参加は必須ですか?
- 制度への参加は任意です。参加する場合は、総務省に利用を申請してIDの発行を受け、管理画面から自治体の紹介ページや担い手活動の募集を登録します。
- Q. 登録した人に返礼品のような特典を出せますか?
- 出せません。総務省の資料では、登録の特典として、現地に行かなくても物的な恩恵が及ぶ、いわゆる「返礼品」を設けることは禁止とされています。プレミアム登録の人へのサポートは、担い手活動を行うための支援(交通・宿泊費の補助など)や、地域で暮らすうえでの支援が想定されています。
- Q. 若者向けの担い手活動は、どう集めればいいですか?
- 大学生など若者は、年間の予定が早めに見えている活動ほど参加しやすくなります。年3回の活動を年度初めに示し、オンラインで地域を知る入口と現地での活動を組み合わせると、続けて関わってもらいやすくなります。どの活動を担い手活動に指定するかは、ガイドラインの考え方に沿って自治体が判断します。
若者が参加しやすい担い手活動の企画から、ご相談ください
地域の課題や関わってほしい若者の像を伺って、年間の活動の組み立てと、若者への届け方の案をお出しします。費用は内容に合わせてご相談です。
