自治体の若者向け関係人口事業の組み立て方
株式会社FLASPO・2026/10/07 更新
若者の関係人口づくりは、多くの自治体で計画に入るようになりましたが、「若者にどう届けるか」「何を成果として数えるか」で手が止まりがちです。このページでは、大学生など若者を対象にした関係人口事業を、企画から報告まで組み立てる手順をまとめます。
1. 成果は「段階」で数える
若者向けの関係人口事業で、移住や定住の人数だけを成果にすると、事業の年度内には数字が出ません。段階ごとに数えられる指標を置くと、事業の効果を説明しやすくなります。
| 段階 | 指標の例 |
|---|---|
| 知る | お知らせが届いた人数、募集ページを見た人数 |
| 考える | 応募した人数・提出された企画の数、地域について調べた内容 |
| 訪れる | 現地プログラムに参加した人数、地域の方と関わった回数 |
| 関わり続ける | その後の再訪・活動・発信、翌年度の事業への参加 |
現地に来る人数は数名〜十数名になることが多いため、割合ではなく実数と、その人たちが何をしたかで示すほうが伝わります。
2. 事業の3つの形
A. コンテストのみ
地域のお題に、全国の若者がオンラインでアイデアを出します。地域を知ってもらう入口として、もっとも小さく始められる形です。
B. コンテスト+現地プログラム
コンテストで選ばれた若者が、1泊2日〜1週間ほど現地を訪れ、フィールドワーク・発表・インターンに取り組みます。長野県木曽広域連合、高知県香南市、青森県八戸市×八食センターなどがこの形です。
C. コンテスト+現地+継続の活動
採択した若者のチームに活動費を出し、数か月にわたって地域と関わりながら活動してもらいます。愛媛県東京事務所の事業では、4チームが活動費(上限30万円)を使って活動し、年度末に成果を報告します。
3. 年間の流れ
予算の時期と、大学生が動きやすい時期(夏休み・春休み)の両方に合わせて組みます。
| 時期 | 自治体 | 若者の動き |
|---|---|---|
| 前年度の秋 | 事業の企画、参考見積の取得、予算要求 | — |
| 春〜初夏 | 契約の手続き(随意契約・プロポーザルなど)、お題の決定 | 新年度で予定が固まる |
| 夏 | コンテストの募集・審査 | 夏休みは調べ物・応募がしやすい |
| 秋〜冬 | 現地プログラム、発表会 | 授業期間は週末・短期が中心 |
| 春休み(2〜3月) | 継続の活動、成果の報告、次年度の準備 | 長めの現地滞在がしやすい |
多くの大学で試験期間にあたる7月下旬〜8月上旬と1月下旬〜2月上旬には、締切や現地プログラムを置かないようにします。
4. 仕様書に書いておく項目
委託する場合、次の項目を仕様書に書いておくと、事業者ごとの提案を比べやすくなります。
- 対象とする若者(年齢・在住地・出身地など)と、届ける人数の考え方
- コンテストのお題の方向性、募集期間、審査の方法と審査員
- 賞金・表彰の内容
- 現地プログラムの内容・日数・人数、参加者の交通費・宿泊費の扱い
- 成果の指標と、報告の形(報告書・応募内容の一覧・参加者アンケート)
- 応募作品の著作権の扱い、個人情報の扱い
- 事業後の関わり(継続の活動・情報発信)の設計
5. 予算の考え方
経費は、おおむね次のように分かれます。
- 企画・運営(お題づくり・告知・応募の受付・審査の運営・報告書)
- 賞金・活動費
- 現地プログラム(参加者の交通費・宿泊費、受け入れの運営)
FLASPOがこれまで自治体・地域団体と実施した事業では、コンテストに現地プログラムを組み合わせた形で、委託額はおおむね170万〜320万円(税込)でした。コンテストだけの形であれば、より小さな規模から組めます。
国の交付金などを財源にする場合、賞金や参加者の旅費が対象外の経費になることがあります。財源の要綱を確認したうえで、賞金を協賛でまかなう、旅費を別の経費で組むなどの方法を一緒に検討します。
FLASPOでできること
FLASPOは、若者向けのコンテストを入口にした関係人口づくりを、お題づくりから現地プログラム、その後の関わりまで一括でお受けしています。事例と進め方は若者の関係人口づくりのページにまとめています。
よくある質問
- Q. 予算要求の前に、参考見積だけお願いできますか?
- はい。事業の目的と想定している規模を伺えれば、参考見積と、事業の組み立ての案をお出しします。発注をお約束いただく必要はありません。
- Q. 庁内の説明に使える資料はありますか?
- サービスの説明資料と事例の資料をお渡ししています。事業の目的に合わせて、説明の流れを一緒に整理することもできます。
- Q. 地元にいない若者を対象にしても、成果になりますか?
- 関係人口は、地域の外にいながら関わる人を指す考え方です。進学などで地域を離れた出身者や、地域に関心を持つ首都圏の若者は、まさに対象になります。成果は「届けた数・応募数・現地に来た人数・その後も関わる人数」のように段階で数えると、説明しやすくなります。
- Q. 担当が1人でも実施できますか?
- はい。お題づくり・告知・応募の受付・審査の資料づくり・現地プログラムの運営まで、FLASPOが担います。担当の方にお願いするのは、お題の方向性の決定、審査、地域の方との調整が中心です。
参考見積・仕様書の項目整理からご相談ください
予算要求の前の段階でも構いません。目的と想定の規模を伺って、事業の組み立て案と参考見積をお出しします。
